結婚しなくても離脱は可能

一般には、内親王・女王の皇籍離脱はご結婚によってだけ可能になると誤解されているようだ。しかし、年齢が15歳以上なら、ご本人の意思による離脱も可能だ(皇室典範第11条第1項)。一応、ルールとしては皇室会議の同意を必要とするが、ご本人が離脱の意思を明確にされた場合、皇室会議でそれを否定するのは、よほど特別な事情でもない限り現実的には想定しにくい。その場合も、皇籍離脱に伴う一時金はご結婚の場合と同様に支出される(皇室経済法第6条第1項)。

したがって、ご本人が皇室からの離脱を強く望まれた場合は、ご結婚によらなくてもそれは可能だ。

先頃、政府から国会の検討に委ねられた、皇族数の目先だけの確保策をまとめた有識者会議報告書では、「内親王・女王が婚姻後も皇族の身分を保持する」制度を提案する。しかし、その一方で「現在の内親王・女王殿下方は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときには皇族の身分を離れる制度(皇室典範第12条)の下で人生を過ごされてきたことに十分留意する必要があります」としている。

これは、ご本人がご結婚によって皇籍離脱を望まれた場合、そのお気持ちを極力、尊重すべきことを意味する。当然の配慮だろう。はたして佳子殿下はどのような選択をされるだろうか。

同じ『文藝春秋』の記事では、首相在任中に「女性宮家」の創設を検討された野田佳彦氏が、以下のように述べておられた。

「私としては、やはり、佳子さまのような方は、皇室に留まって、天皇陛下をお支えすることは良いことだと思います。春の園遊会で、佳子さまと久しぶりにお会いした時に、出席者に気さくに声をかけていかれる姿を拝見しました。本当に爽やかで輝いていらっしゃった」