よくある「長い時間を経て不倫相手と再婚」
不倫は若い世代だけがするものではない。むしろ、子育てにひと段落し、経済的にも余裕が出てくるのが50代以降だろう。パートナーとセックスレスの状態になっているケースも少なくないことを考えると、シニア世代のほうが不倫をしやすい環境が整っているともいえそうだ。
シニア世代が再婚する場合、若い世代とは異なり「出会ってすぐに結婚」というケースはまれ。40代や50代のうちに出会っていて、そこからずっと関係を続けて愛を育んだ結果、ようやく一緒になるめどが立った、ということもよくある。
では、一般的なシニア世代の不倫事情はどうなっているのだろうか。ここ数年で実際にあった相談例のなかからいくつかご紹介したい。
※プライバシーに考慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください。
親友の弟と不倫関係に…
【CASE1】モラハラ夫との生活に耐える妻を支え続けた不倫相手
今年で結婚35年を迎えるR子さん(63歳)は1歳年上の夫と犬と暮らしている。2人の子供たちはそれぞれ家庭を持ち、孫もときどき遊びにくるという、一見円満な熟年夫婦だ。
ところがR子さんにはひそかに計画していることがあるという。「実は私には15年以上のお付き合いになる不倫相手がいます。その人とは来年、彼の定年退職を機に『一緒になろう』と話しています。夫と子供たちには年が明けたところで打ち明けるつもりです」。
R子さんが不倫に走ったきっかけは「長年にわたる夫のモラハラ」だったという。「まだモラハラという言葉が一般的ではない頃から夫は私に対する暴言がたびたびあり、年を重ねるごとにエスカレートしていきました。『誰のおかげで暮らせると思っているんだ』というお約束のフレーズはもちろん、『なんの取り柄もない女だな』『俺がもらってやらなければ、お前は一生独身だっただろうな』などと自尊心が傷つく言葉を言われ続けていたんです」。
そんな夫の心ない言葉の数々に苦しめられている時にR子さんが出会ったのが、不倫相手となる男性だった。「彼は私の学生時代からの親友の弟です。夫のことで彼女の家に相談に行った時に偶然居合わせたのが独身の彼でした。親友と一緒に私の話を聞いていた彼はたったひと言『許せない』と言い、親友の代わりに私を最寄り駅まで送って行く道すがら『つらくなったらいつでも連絡してください』と優しい言葉もかけてくれました」。