「過去の恋愛経験が少ない」という特徴
夫婦の数だけその関係が異なるように、不倫もまたさまざまな形が存在する。お互いの立場や2人が会う時のシチュエーション、経済的な負担や家庭を守るためのルールなど、ひとつといって同じケースはない。
ただ、年代別に異なる不倫をする人に共通する傾向はある。たとえば40代、50代の男女の不倫の相談を受けていると、本人たちの話からその多くは「過去の恋愛経験が少ない」という特徴があることがわかる。
40代、50代は仕事もプライベートもそれぞれ確立している年代だからこそ一見、安定しているように見える。その一方で、残りの人生が意外と長いことに気づき、「もうひと花、咲かせたい」という思いも出てくるようだ。そんなときに“魔が差して”不倫がはじまることがある。
実際、40代、50代に多く見られる不倫にはこんなケースがある。
※プライバシーに考慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください。
初めて付き合った男性と21歳で結婚
【CASE1】「女性として見られたい」という妻の願望を満たした不倫相手
「結婚したら、もう誰かにドキドキすることなんて一生ないと思っていました。いまだに、若い頃にした恋愛のような気持ちになっている自分が信じられません」と目を輝かせながら語るK子さん(44歳)は、学生の時に知り合って初めて付き合った2歳年上の相手と21歳の時に結婚。社会人と大学生の子供が2人いる。
それまで夫のサポートと子育てに明け暮れていたK子さんがターニングポイントを迎えたのは、下の子が中学3年生になった頃だったという。「来年からは息子も高校生になり、もう私の手もだいぶかからなくなるだろうと気づいたら、『これから私はどう生きていったらいいのだろう?』と急に不安になってしまったんです」。
K子さんの不安の要因は、夫にもあった。「息子が生まれ、私たち夫婦は『男女』から『父親と母親』へと変化しました。自分の家庭を持つことができたという安心感がある一方、『夫はもう私を女性として見てくれることもなくなったんだな』という寂しさも感じたのは事実です」。
結婚前、夫はK子さんのことを「K子」と下の名前で呼んでいたが、子供が生まれてからは「ママ」一辺倒。K子さんが髪型やメイクを変えても、以前のようにほめるどころか気づくことすらなくなっていたのだった。