自衛官候補生が小銃を発射し3名が死傷する事件が起きた。こうした事件は、決して珍しいものではない。ノンフィクション作家の中山茂大さんは「韓国軍でも今回の自衛隊射殺事件とあまりにも酷似する事件が起きている」という――。

「自衛隊の小銃発射事件」現実の軍隊では珍しいことではない

6月14日、岐阜市にある自衛隊の射撃場で、自衛官候補生の男が小銃を発射した事件は、日本中に大きな衝撃を与えた。

2名死亡、1名が負傷という悲惨な事件であったが、70年近い自衛隊の歴史の中でも、異例の不祥事ではないだろうか。

スタンリー・キューブリック監督による映画『フルメタル・ジャケット』では、軍事訓練中の若者が精神に異常をきたし、自殺をはかる場面が描かれる。今回の自衛隊の事件で、この映画を想起した方も多いだろう。

ただ、こうした事件は、現実の軍隊でも珍しいことではないのかもしれない。

お隣の韓国は、現在でも徴兵制を施行しているが、こうした事件がたびたび起きているとも言われている。

軍事訓練
写真=iStock.com/Wavebreakmedia
韓国では軍事訓練中の事件がたびたび起きている(※写真はイメージです)

高円寺のバー店主が語った「韓国軍での壮絶体験」

東京・高円寺に「写真BAR白&黒」というお店がある。店主であるチュ・チュンヨン氏は、1980年代に2年6カ月間、兵役に応召した。

筆者はかつて、チュ氏も含めた複数の徴兵経験者からの聞き取りを元に、『韓国徴兵、オレの912日』(講談社版は絶版、現在はimpress QuickBooksで電子書籍化)という本をまとめたことがある。

チュ氏によれば、「韓国では入隊時に、自殺した訓練兵の写真を見せるなどの啓発も行われるが、自殺未遂や脱兵等の不祥事がたびたび報道される。自分が軍人だった間にも、今でも忘れられない衝撃的な事件があった」と話す。

チュ氏が言う「衝撃的な事件」は、今回の自衛隊射殺事件とあまりにも酷似していた。