「写真や住所まで公開され、何者かに連日尾行も…」
「またマンションの件では、写真から住所まで公開され、何者かに連日連夜尾行もされ、私自身も常に誰かに見張られている感じで精神的にも非常に苦痛を感じたし、何より家族も本当に怖がっていた。誰かが自宅のインターホンを押しただけで本当に恐怖を感じるほどで、外出だって怖くてできないと泣いているくらいでした。
オアシス側からは会社に対して執拗な細かい質問が出されましたが、一つひとつに明確に回答していたにもかかわらず、『会社は質問のたびに回答を変え、常に何かを隠している。なぜそうまでして内山家を庇いだてして守ろうとするのか』などと、本当に根拠のない言いがかりだけを外部に公表する。
そうやって、株主やステークホルダーの多くに誤った印象を植えつけてきた。実際には疑惑も何もないのに、そうやって印象操作を続けてきた結果、彼らの虚偽情報を信じ込んでしまう株主も出てしまったのです」
結果、今年2月の臨時株主総会で社外取締役が、オアシス側が選任した面々で占められたのは先述の通りだ。
目的は「短期売買での利ザヤ狙い」と主張
河合弁護士はこう指摘する。
「オアシスはフジテック以前にも日本企業株の買い増し、配当を増やして株価を吊り上げ、その後短期で売却して巨額の利益を得ることを繰り返しています。
つまり、彼らは大株主としてその企業価値を高めるような施策を提案するわけではなく、あくまでも短期売買での利ザヤ狙い。オアシス側がフジテックに要求してきたなかには経営方針にまつわることよりも、内山氏や経営陣を追放すべきだということばかりでした」
内山氏側の調査によれば、2023年5月時点の大量保有報告書で確認できる日本企業のうち、オアシスが過去も含め株を保有している企業は24社。このうち6社が上場廃止に追い込まれ、オアシスはTOBや株式交換で保有株を売却し、2社は自主的に売却していずれも大幅な売却益を得ている。上場廃止の6社を除いた18社の平均保有期間は2.3年だ。