官公庁のインフラシステムが掌握されるリスクも
ご存じのとおり、最近のエレベーターは防犯上、安全上の観点から遠隔操作システムが必須であり、しかも、内部には音声も記録できる監視カメラがあり、顔認証システム導入も少なくない。
仮にフジテックが中国企業に買収されてしまった場合、国の安全保障に直結するインフラシステム、重要情報がまるごと支配され、コントロールされてしまうことになりかねないのだ。
今後、注目されるのは6月21日に迫った定時株主総会の行方だ。フジテックはすでに、現社長の岡田隆夫氏や専務ら社内取締役3人全員が退任すると発表。事実上経営権を握っているオアシス側に近い新取締役候補選任をもくろんでいる。
対する内山氏は、すでに大株主として、ビックカメラ前社長の木村一義氏や元財務官僚の小手川大助氏、野村証券元専務の津田晃氏ら、8人の取締役候補を提案している。この中に自身は含まれていない。総会当日までにどちらがより多くの株主から信任を得られるか激しいプロキシーファイトが繰り広げられることになり、ますます目が離せない。