高校での留学

まず高校留学。近年、希望者が増えてきていて、政府も後押ししています。文部科学省の留学促進キャンペーンで返済不要の奨学金を支給する「トビタテ!留学JAPAN」は高校生枠を増やし700人の募集を始めました(留学先の地域により月12万円か16万円支給)。

留学の種類としては1年間の「交換留学」「私費留学」、3カ月ほどの「ターム留学」、1、2週間程度の「短期留学」の4種類があります。

コロナ前の数字ですが19年度で年間約4万7000人が留学しています。そのほとんど(約4万3000人)が3カ月未満の期間なので、ターム留学か短期留学です。

ターム留学は中高のプログラムとして行われることが多く、短期留学は夏休みなどの長期休暇を利用して行くのが主流です。

1年間の留学の費用は200万円以上かかります。交換留学は、支援団体がアメリカの高校への留学をサポートしてくれます。一方、私費留学は滞在先や学校を選べます。費用面では学費などがかかるので、交換留学に比べて高額です。

高校で留学を目指すなら、中学3年生から準備を始めましょう。まず留学説明会に参加し、モチベーションを上げ、1年ぐらいかけて英語力を上げていきます。1年間留学する場合は高校1年生の秋からというケースが多いので、中学時代から先生に相談することができる、中高一貫校に通っている子のほうが計画しやすいでしょう。

また1年間の留学をする前に、短期留学などで親元を離れて海外で生活する経験をしておく子が多いです。

卒業帽と平面地図ピンとロケーションサイン3Dレンダリングによる世界の留学コンセプトデザイン
写真=iStock.com/FeelPic
※写真はイメージです

●交換留学220万~300万円1年間

国際教育交流団体にマッチングしてもらう

1950年代から行われている歴史ある制度で、「AFS」「YFU」などの国際教育交流団体が運営している。アメリカの公立学校に留学し、ボランティアファミリーにホームステイをするのが一般的。事前研修やサポートなどのプログラム費用を団体に支払う。プログラム費用は年間100万~200万円、生活費60万~80万円、航空運賃15万~30万円、合計で約220万~300万円。基本的には滞在する地域は選べない。

●私費留学200万~800万円+生活費・航空運賃/1年間

滞在国や学校を自分で決める

学校や滞在国や地域、寮かホームステイかなど、留学エージェントなどと相談のうえ、自分で決める。国や都市によって学費・滞在費はさまざまで、年間約200万~800万円と差がある。最もリーズナブルなのが、ニュージーランドで200万~300万円。オーストラリアは220万~450万円、カナダは220万~550万円が平均的。アメリカの場合、地域で差があり300万~800万円にのぼる。さらに生活費、航空運賃などがかかる。

●ターム留学100万~150万円/3カ月

中高で行かせてくれる

10~12週間、約3カ月の留学プログラム。グローバル教育に力を入れている中高一貫校で導入しているところが多く、中学3年生や高校1年生で行くパターンが多い。行き先はオーストラリアやニュージーランドが主流。授業料や滞在費、航空運賃を含めて3カ月で合計100万~150万円。現地校に通い、滞在はホームステイが一般的。

●短期留学30万~50万円/1、2週間

夏休みなどを利用して海外体験

長期休暇を利用し、1、2週間の留学を体験する制度。行き先はオーストラリア、ニュージーランド、カナダが多く、費用はトータルで30万~50万円程度。語学学校のサマーコースに通うケースが多いが、現地の学校に体験留学するケースもある。現地校の生徒とグループになり、一緒に授業を受けたりホームステイをしたりする「バディ制度」を取り入れているプログラムもある。