わが子を勉強の「自走式モード」にさせるにはどうしたらいいのか。長男の受験をサポートした経験を基に中学受験生たちを描いた『きみの鐘が鳴る』の著者・尾崎英子さんと、塾にほとんど行かず、おうち遊びで楽しく知識を身につけ開成中学に合格、その学習法をマンガで描いた著書を刊行した現役の開成高校生・ぎん太さんに、受験をいい経験とするためのアドバイスを語ってもらった――。(前編/全2回)

※本稿は、『プレジデントFamily2023春号』の一部を再編集したものです。

ぎん太 東京生まれ東京育ちの、3兄弟の長男。塾にほとんど通わず母と楽しく学び開成中学に合格。 現在、開成高校に在籍。おうちで楽しみながら学ぶ様子を マンガで描いた『偏差値40台から開成合格! 自ら学ぶ子に育つ おうち遊び勉強法』を刊行。 好きな食べ物は梨と桃。特技は空手。
撮影=岡村智明

これほどの負荷をかけることが本当に必要だろうか?

【尾崎】わが家が中学受験を考えたいちばんの理由は、中高の6年間というまとまった時間を確保できることです。高校受験のために時間を割くよりも、青春期には好きな部活などに打ち込んでほしいという思いで私が勧めました。地域では半分くらいの子が受験していたので、長男もそういうものだと思ったようです。ぎん太さんは自分で受験を決めたんですか?

【ぎん太】はい。きっかけは、自分が面白いと思える授業を受けたいと考えたことでした。当初は経済的な理由でも、公立中高一貫校を目指したのですが、進研ゼミの中学受験講座で私立コースを受講したらそちらもいい感じで。父が「せっかく勉強するんだったら、開成とか私立も視野に入れたらいいんじゃないの」って。

【尾崎】いきなり開成!

【ぎん太】うちの両親は中学受験をしていないし、高学歴でもありません。受験や学校の情報も知らないので、単に私立の有名校として開成を挙げただけだと思います。でも、そのひと言のおかげでいまの自分があるんですけど。国立中学も受けたものの、そちらは不合格でしたから。