中高年になって「捨てるべき最大のもの」

④見栄や世間体、「承認と自尊の欲求」を捨てる

皆さんの周りの「面倒くさい」50代、60代、70代を思い浮かべてください。「誰かに認めてほしいという気持ちが強い人」「誰かにプライドを立ててほしいという気持ちが強い人」ではないでしょうか。こういう気持ちが強いと、本当に、「面倒くさい人」になってしまいます。

面倒くさい中高年。なりたくないですよね?

「なんかあの人、面倒くさいねぇ~」と言われる人は、やたらと人に構ってほしがっている人です。

面倒くさがられる中高年になりたくはないでしょう?

だとしたら、捨てるべきは何か。捨てるべきは「承認と自尊の欲求」です。

承認と自尊の欲求、つまり「立ててほしい」「大切にしてほしい」「認めてほしい」という気持ちは、自己実現論で著名なマズローの言う人間の「欠乏欲求」の最大のものです。ここに執着してしまうか、それともそれから自由になれるかが、「面倒くさい中高年」になるか、

「さわやかに自分の人生を生きることができる人」になるかの大きな分かれ目になります。「認めてほしい」とか「かまってほしい」とか、こういった気持ちから、どれくらい解放されているか。そこに「さわやかな充実した中高年」になるか、人に求めてばかりの「面倒くさい空虚な中高年」になるかの大きな分岐点があるのです。

中高年になって「捨てるべき最大のもの」。それがこの「承認と自尊の欲求」なのです。

承認欲求が強いままだと、SNS上でも「いいね」欲しさに、おもねった書き込みをしたり、自分が批判されて逆ギレして噛みついたりします。

ちょっと批判されたら逆ギレして、噛みついたり、絡みついたりして、面倒くさい人。あなたの周りにもいるはずです。

そういう人にならないようにしましょう。

自分も疲れ果てるし、周りの人を振り回すだけです。

もし自分に、そういうことをしてしまいそうな傾向があると思ったときは、しばらく「SNS絶ち」をする。ツイッターをしばらく見ない。LINEもしばらく見ない。少なくとも、返信はしない。自分で書き込みはしない。見るだけにしておく。そうやって「面倒くさい人」にならないようにしましょう。

40代以下の方に年賀状は控えたほうがいい

また、次の2つのことも、考えておきたいものです。

・年賀状、お歳暮などの何となく続けてきた「習慣」をやめる

50代、60代で「やめたほうがいいもの」は、何となく続けてきた「習慣」です。年賀状や暑中見舞い、お歳暮やお中元もそろそろやめてもいいかもしれません。特に、仕事関係の後輩や取引先のうち、年下の人への年賀状、暑中見舞いなどの慣習はやめてしまうのがいいと思います。

年賀状を書く男性
写真=iStock.com/JGalione
※写真はイメージです

若い人でたくさん年賀状を書いている人は珍しいです。けれども、若い人にしてみたら、会社に残っている60代は、大先輩にあたります。「年賀状をもらったら返さなくては」という義務感だけで、年賀状のやり取りをしている可能性が高いです。

本当はやめたい。面倒くさいだけです。ですので、次の年からは、「年賀メール」だけにしておく。すると、「ああ、助かる」と思う若い方は意外と多いかもしれません。40代以下の方にはそろそろ年賀状は控えたほうがいいかもしれません。

お中元、お歳暮もそうですね。贈ってきたら返さないといけない。どの都市に住んでいるかによっても違いますが、地方だとまだまだこういう習慣が盛んです。

けれども、これももう50代半ばを過ぎたら、そろそろやめていいんじゃないかなと思います。お互い手間がかかるだけです。だったら、そのお金で自分の欲しいモノを自分で買ったらいい。手間も省けるし、効率がいいです。

そんなふうに、時間やエネルギーの使い方を変えていったほうがいいのではないでしょうか。