※本稿は、諸富祥彦『50代からは3年単位で生きなさい』(河出書房新社)の一部を再編集したものです。
50代・60代は自分の心に聞いてみて「捨てる」
まず、中高年になったら、思い切って「捨てるべき」ものについて、お話ししたいと思います。中高年になったら、思い切って「捨てるもの」は主に4つあります。
①時間とエネルギーを奪う「余計なコト」
②余計なモノ
③余計な人間関係
④見栄や世間体(承認と自尊の欲求)
それでは順番に説明していきましょう。
①時間とエネルギーを奪う「余計なコト」を捨てる
中高年になると、「残り」の人生の時間がだいぶ少なくなってきます。体力も気力も衰えてくる。時間、体力、気力、エネルギー、これらを節約しないと、やっていけなくなります。
私も実感していますが、50代半ばを過ぎたあたりから時間の流れが、とても速くなっていきます。時間が本当に足りない。
毎日、さっき起きたと思ったら、もう夕方、夜になっている。
「あれっ、さっき起きたばっかりなのに、今日はもう終わっちゃうの」
こんな毎日です。
時間が本当に足りない。毎日がこんなに短いんだったら、10年なんてもう「あっという間」です。
相当時間を節約しないと、いい人生を生きることはできないと思います。
では、どうすればいいのか。それは「余計なコトを捨てる」ことです。余計なコトに使う時間、エネルギーを減らす。そして、大切なことにだけ集中的に時間とエネルギーを使っていくのです。
「こんまり」するのです。近藤麻理恵さんの『人生がときめく片づけの魔法』というベストセラーがありますが、アメリカで「こんまり」と言ったら、知らない人はいないのではないでしょうか。アメリカでは「こんまり」すると、日常用語で使うくらい有名な言葉ですね。
「こんまり」する。それは、あるモノをとっておくか捨てるかは、自分の心に聞いてみて、「ときめかないと捨てる」ということです。ときめかないと捨てる。ときめいたら捨てない。この方針で、「すること」「捨てること」を振り分けていくのです。