正社員の約6割は今の生活に金銭的な不満を抱えている
収入アップが見込めない状況で、物価や電気料金などの高騰が続くなど、お金に関する悩みは尽きない。
どの程度の年収があれば不安・不満はなくなるのか。年収レンジごとの「生活のリアル」を見ていこう。自分の目指す生活レベルがどのあたりなのか、お金の悩みを解消するにはどうすればよいのか、ぜひ参考にしてほしい。
マイナビ転職の『賃金についての調査』によれば、今の生活に対して金銭的に「不満」だと答えた人が約6割にのぼった。将来の生活に対しても聞いたところ「不安」という答えが全体の7割を占めている。
現在の賃金(年収)が妥当かどうかを聞いたところ、最も多い答えが「低過ぎる」(約4割)だった。年収500万円以下の約5割が「賃金が低すぎる」と感じており、「賃金が低すぎる」と回答した人の理想の年収と現実の年収の差額は約100万円だった。
正社員の年収の中央値は450万円。年代別に見ると、20代が350万円、30代が425万円、40代が500万円と、年代が上がるにつれて、少しずつ上昇する傾向はあるものの、管理職と一般層では300万円の差が出ている。
次に年収レンジごとの生活のリアルを見てみよう。
年収300万円未満の3人に1人が「食費」をためらっている
「金銭的理由で生活費の出費をためらうことがあるか」を調べたところ、年収レンジごとにためらう項目にも差がみられた。
1位:被服・美容・化粧品費 46.8%
2位:趣味・娯楽・レジャー費 45.2%
3位:交際費 38.3%
4位:食費 34.6%
5位:車両費・移動費 22.3%
今の生活の満足度については77.1%が「不満・やや不満」と回答。20代単身者の割合が高く、生活必需品以外の出費はなるべく抑える傾向がある。特に必須であるはずの「食費」の出費をためらうのは、他の年収レンジと比較して高い数字となっているのが特徴的だ。
SNSでも食品価格やコンビニ弁当の値上げについての悲鳴が後を絶たないことから、例えばコンビニで昼食を購入するにしても、比較的安価なお弁当やおにぎりにするなど、「食べたいもの」より「価格やコスパ」を重視せざるを得ない状況が推測される。
飲料などを含めた食費を1日1200円以内に抑えたとしても、月3万6000円ほどの出費となるため、外食やカフェの頻度を調整したり、できる限り自炊したりするなど、節約を心がけている人も多いのではないだろうか。