「両腕ひねり」という解決法がある
それでは、背中をゆるめるための簡単な「10秒ほぐし」をひとつご紹介します。本書でも紹介している「両腕ひねり」です。この動作は、たった10秒で肩甲骨まわりの筋肉をゆるめてくれます。いすに座った状態でもできる、とても心地のいい動作ですので、ぜひ覚えてください。
1 座った状態で、右腕を肩の高さまで上げます。
2 肩の付け根から、腕を内側→外側の順にひねります。これを3回繰り返します。
3 同様に左腕を肩の高さまで上げ、内側→外側の順に3回ひねります。
4 両腕を肩の高さまで上げて、同じように左右の腕を内側→外側の順に3回ひねります。
最後に、腕を外側にひねった状態のまま両腕を下ろし、手首を内側に戻しましょう。
一度動作を覚えたら、1~3は省略して、4のみでも大丈夫です。これなら3~4秒あればできます。この時、肩が上がってしまわないように注意してください。
心地いいと感じる程度がベスト
いすに座ってパソコン仕事をしたり本を読んだりしていると、どうしても腕が内側にねじれて、肩を巻き込んだ姿勢になってしまいます。
この「両腕ひねり」は、内側に巻き込んでしまった骨格を正しい位置に戻しながら、肩甲骨まわりをゆるめ、固くなって体の前側に寄ってしまった筋肉を、背中に集めてくれます。
筋肉は動かさないとそのまま固くなってしまいます。座りっぱなしの状態が続く時には、1時間に1回を目安に、このような動作を取り入れていくとよいでしょう。
無理に強く引っ張ったり、ねじったりする必要はありません。あくまで軽い動作で大丈夫です。「心地いいな」と感じる程度に、背中をゆるめ、ほぐしていきましょう。
高いお金や時間をかけてマッサージや整体に通わなくても、筋肉を「小刻みに動かす」「小さくゆらす」という動作を日常に取り入れる方が、効果的に筋肉をゆるめることにつながります。
不調を感じたら、まず「背中をゆるめてみる」。この考え方を大事にしてみてください。