徴用工問題の解決で「雪解け」が見えてきた
日韓関係を雪解けさせる棘になっている、いわゆる「元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)」訴訟問題について、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が6日、「韓国の財団が企業の寄付を集めて、日本企業に代わって原告への賠償を支払う」という解決策を発表した。
財団には鉄鋼大手ポスコなど、日韓経済協力で利益を得た韓国企業が参加することが想定されている。日本側からも寄付を受け入れるかどうかは明確でないが、それが解決策に合意する条件になっているわけではなさそうだ。
これを受けて、日本政府は「村山談話」など歴代内閣などが示してきた植民地支配
外交だけでなく、経済的にも雪解けが進むとみられる。民間では、経団連などが中心になって未来志向の日韓協力事業を進めるといわれている。また、
韓国政府にとって現実的に可能な唯一の策
韓国国内では、日本側の賠償と謝罪を求める人たちから「屈辱外交」などと反発する声が上がっているという。
日本の保守系の中にも、この案にすら反対する人が多いが、私は最初から韓国案と同じ考えを提唱していた。司法が暴走する韓国政府にとって現実的に可能な唯一の案であるからで、韓国がこんな愚かなことを繰り返さないように枠をはめるなら受け入れてよいものだ。
問題解決に向けて積極的に動いている尹錫悦政権への配慮も必要であるし、これをむげにすることはアメリカとの関係を考えてもよくないから、時間を浪費せずに決着をつけることも必要だ。「画期的な新たな(日韓)協力の幕開けだ」とバイデン大統領がみずから韓国政府の提案を歓迎しているほど、米国はこの問題の解決を望んでいた。
もちろん、日本側として譲ってはいけない留意事項をきちんと踏まえ、今後への悪影響がないように手当てをすべきであるし、これ以上愚かなことをするなら断固とした報復をすることも明言すべきだ。