面倒だけど老いを乗り越える元気が備わる

女性はお喋りがストレス解消になるといわれます。

Nさんは、夫が亡くなって落ち込み、さびしくなると娘や友達に電話して長電話をしていたそうです。はじめのうちはみんなが、夫を亡くしたかわいそうな母、もしくは友人として話を聞いてくれていました。

和田秀樹『80歳の超え方 』(廣済堂出版)
和田秀樹『80歳の超え方』(廣済堂出版)

Nさんはその行為にすっかり甘えて朝夕と電話していたら、ある日、娘に「電話はいいけど、毎日は迷惑だ」と言われて、みんな迷惑だったのだと気づいたそうです。そして落ち込みました。

しばらくして、「傾聴ボランティア講座」のチラシを見ました。お喋りをせずに相手の話を聞くことを学んでみようと思い立ち、講座を受けました。

いまでは、傾聴ボランティアとして活動し、聞くことも覚えて娘や友達との関係も良好だそうです。

また、「ひとりカラオケ」で落ち込みを吹き飛ばす人、疲れたときは「自分にご褒美」作戦で、豪華弁当やスイーツを楽しむ人、映画館にひとりで行き、気持ちを落ち着ける人がいます。

日本女性のカラオケ
写真=iStock.com/bee32
※写真はイメージです

人に頼ったり薬に頼ったりするだけでなく、自分の元気回復の素を「宝箱」に詰め込んでみましょう。元気回復の素はたくさんあったほうがいいのです。

それぞれ面倒と思えば面倒かもしれません。でもその面倒を乗り越えるたびに老いを乗り越える元気が備わっていきます。

あなたの元気回復ツールを書きだしてみませんか。

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