自民党の安倍晋三元首相が、首相返り咲きに意欲を見せているという。

「安倍氏は、辞任の原因になった大腸の不調はすっかり改善、以前はほとんど飲めなかった酒も最近は飲めるようになった、と話している。体調面の不安はないからチャンスがあればということだろう」

自民党幹部はそう話す。

安倍氏の近況で目を引くのが、今年に入り大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長と急接近していること。橋下氏と何度か会っているほか、橋下側近の松井一郎大阪府知事ともたびたび会談している。

「会談では“あなたと私の考えはよく似ている”と橋下氏にエールを送っている。またテレビ出演時も橋下氏を盛んにほめていた」(全国紙の自民党担当記者)原発再稼働や消費増税を巡り既成政党批判が高まる中、国民の大阪維新の会への期待は鰻上り。「いま解散したら民主は第一党になれず、自民も第一党を取れないで維新がワーッと当選してくる」(輿石東・民主党幹事長)のは確実で、総選挙後は大阪維新の会と組む政党が政権に就く可能性が高い。安倍氏周辺が話す。

「安倍氏もそれを見越して橋下氏と接触を重ねてきた。6月初めの時点では、消費増税法案成立に向け、民主・自民両党内に大連立模索の動きがあったが、安倍氏は“民・自大連立なら離党も辞さず”と猛反発。安倍新党旗揚げの可能性もあった。結局、大連立せずとも消費増税法案が通る見通しがついたため安倍新党は見送られたが、“新党旗揚げ、橋下維新との連立”まで安倍氏は見据えていた」

安倍氏が「頭の体操」(周辺)として思い描いていたシミュレーションとは?

「年内解散・総選挙の場合、維新は全国に落下傘で候補を擁立するが、橋下氏本人は昨年の11月の大阪市長当選から1年経たないと総選挙に出馬できない。維新は橋下氏が中央政界で活動できないので、党の顔を求めて安倍氏に接近する」

一方、民・自大連立に反発して新党を立ち上げ、総選挙を戦うことになった安倍氏のもとには、国民の既成政党離れの空気を敏感に察した自民党の新人候補が殺到し一大勢力を形成する。

「そして維新の会と安倍新党が合併含みで連立。安倍首相が誕生する」(周辺)

結局、頭の体操で終わりそう……。

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