妻も夫も自分にとっては本当のことを主張している

夫婦カウンセリングは、初回はお二人から現在抱えている悩みを聞き、その後、別々に夫婦関係や相手に対して感じていることを聞きます。さらに生い立ちの聞き取り、心理テストをそれぞれ受けて頂き、そして再び夫婦一緒に結果の照らし合わせと解決に向けてのカウンセリングをします。では、夫婦揃ってカウンセリングを受ける意味とは何でしょうか。

どんな夫婦でも、それぞれの言い分は違うもの。夫婦喧嘩一つとっても、その原因について尋ねると全く違う答えが返ってきます。そのどちらが正しいかを判断することは出来ません。どちらも本当のことを話しているからです。例えば、妻の言い分は「夫は常に自分の方が正しいと主張して、私の言うことを聞いてくれない」。夫の側は「妻の意見も聞いているし、あくまで『この方がいいよ』と提案しているだけ」。こんなすれ違いはお互いの感じ方の違いによるものです。

どんな夫婦にも相手への不満は必ずあります。それをどちらか一方からだけ話を聞く、例えば妻が抱える夫への不満だけを聞いてしまうと、悪いのは夫だけのようになってしまいます。夫に来てもらって、妻の不満を伝えるだけでは、夫は妻への不満を募らせることになるでしょう。大事なのは、夫婦がカウンセリングを通して互いの不満を知ることです。日々の生活の中で口にすると喧嘩になってしまうような互いへの不満を、受け入れやすいように翻訳するのがカウンセリングだからです。