体を何も動かしていないと頭は不安を探しにいく

最後にご紹介したいのが、第6位の『精神科医Tomyの気にしない力』です。

精神科医Tomy『精神科医Tomyの気にしない力』(だいわ文庫)
精神科医Tomy『精神科医Tomyの気にしない力』(大和書房)

本書の著者、精神科医Tomyさんは、Twitterフォロワー37.9万人(2022年12月時点)を誇る大人気の書き手。本書は、そんな精神科医Tomyさんによる、疲れた心を励ましてくれる優しい言葉が詰まった一冊です。

まず試してほしいのは「今のことを考える練習」。モヤモヤしてしまうのは「頭がお暇になっている」ときだ――精神科医Tomyさんはそう言います。「気になる」ことが湧いてくるときは、体を何も動かしていない、ちょっとした空き時間であることが多い。そんな空白の時間に、暇な頭が不安や気になることを探しにいってしまうというのです。

気にする人は、気になる気持ちを引きずったまま、中途半端な時間を過ごしてしまいやすい。そういう時間は「頭がお暇な状態」になりやすいので、ますます気になる。

たとえば、癖の強い取引先のことが気になっていたとしましょう。休日もモヤモヤから離れられず、1日をムダに過ごしてしまうかもしれません。

でも、モヤモヤしていても何も解決しません。思いきってショッピングに出かけ、買い物をしたりカフェに寄ったりして「今」に集中すれば、相手のことを考えずに済むはずです。

人は同じ環境にあっても、本人がどう捉えるかで幸福度は全く異なります。「気にしない人」は、今という時点において問題がなければ問題はない、ムダに悩む必要はないと考えられる人です。

人気精神科医のアドバイスがたっぷり詰まった本書。モヤモヤに押しつぶされそうになっている人に、そっと寄り添ってくれます。

12月も、キャリアから会話術、リスキリングまで、幅広いジャンルの本がランクイン。2023年1月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。

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