できるリーダー、できないリーダーの能力に大差なし

第2位は、『最高のリーダーは、チームの仕事をシンプルにする』。

阿比留眞二『最高のリーダーは、チームの仕事をシンプルにする』(知的生きかた文庫)
阿比留眞二『最高のリーダーは、チームの仕事をシンプルにする』(三笠書房)

「できるリーダー」と「できないリーダー」の能力に大きな差はない。違うのは「仕事をシンプルにする力」の有無だけだ――著者は本書の冒頭でこのように書いています。

では、どうすれば仕事をシンプルにすることができるのか。ポイントは4つ。感情の波を小さくする、立ち止まる、長期的な視点を持つ、社内の人間と戦わない、です。

特に注目したいのは「立ち止まる」。「できないリーダー」は、大風呂敷を広げて、部下に「あれもやれ、これもやれ」と指示を出しがちです。一方、できるリーダーは、忙しくてもいったん立ち止まり、仕事全体を見渡す時間をとります。適切な指示が出して、仕事をスムーズに進めるために“急がば回れ”で行動するのです。

さらに本書では、著者らが開発した、課題をシンプルに解決するメソッドが紹介されています。自分(チーム)の課題を挙げる、課題の障害となる事象を挙げる、事象を整理する、真のテーマと最優先で取り組むことを設定する、WHYを5回繰り返す、解決策を考える、具体的なアクションプランを決める――の7ステップで進めれば、課題がシンプルに解決し、「できるリーダー」に近づけるでしょう。

自分の価値観を把握するワークをやってみる

第3位には、『適職の地図』がランクインしました。

土谷愛『自分だけの強みが遊ぶように見つかる 適職の地図』(かんき出版)
土谷愛『自分だけの強みが遊ぶように見つかる 適職の地図』(かんき出版)

どんな人にも「こんな人生を送りたい」という理想があるでしょう。

ではあなたは、今の仕事を通して理想の人生を実現できそうでしょうか? もし答えが「NO」なら、本書を読んでみることをおすすめします。

本書のテーマは「適職」。7日間のゲームを通して、理想の人生を実現する「適職」を見つけます。

1日目は「ゲームのエンディング(理想の未来)を決める」。自分の価値観を把握するワークに取り組み、「仕事を通じてどんな人生を手に入れたいのか」を明確にします。

そのうちのひとつが、「お金」「時間」「人」「地位」「家族」「趣味」「健康」「自信」「貢献」の9つの要素を、今の自分にとって大切な順に並べるというもの。ワークと聞くとつい尻込みしてしまう方でも、これなら気軽に楽しめそうです。

2日目以降も、ステージ(やりたいこと)を選ぶ、基本スペック(資質の強み)を知る、じゅもん(後天性の強み)を把握する……と、ゲーム好きの人でなくてもワクワクしそうな仕立て。「強みなんてないし、やりたいこともない」と思い込んでいる方に、ぜひ読んでほしい一冊です。