すべてを時間軸で考え行動する経験

JTB社長 田川博己
JTB社長 田川博己

判断も迅速を要する。一つの判断の遅れは大きな時間の遅れに結びつく。例えば、海外で顧客が体調不良を訴えたら、本人は固辞しても医師に診てもらう。もし、この先体調が悪化したら、全員の旅程に影響が及ぶからだ。判断は顧客の安全安心を最優先し、確率が70~80%期待できる選択肢をとる。基準が明確なら、判断に時間はかからない。

気持ちの切り替えも大切だ。前の気持ちを引きずったままだと次の行動に影響が出る。そのため、旅行中、どんな厳しい状況に置かれても、顧客の前では笑顔を見せろ、走ってはいけない、汗も前もって拭いておけと、気分転換の仕方を先輩たちから徹底して仕込まれた。

ホテルで顧客がトラブルを起こしても、責める前に真っ先にトラブル処理を、落ち着いた素振りで行う。ただでさえ落ち込んでいる顧客に対するフォローは、これから先の旅程を計画どおりに進めるためのリスクマネジメントでもあった。