「日本でいちばん長い朝礼」を行っているのが沖縄教育出版だ。同社の社名には「出版」の文字が付いているが、書籍出版をやっていたのは創業した1977年から十数年で、現在では健康食品、化粧品の通販が主な事業となっている。社員はパートも含めて130名ほど、売り上げは18億円。6期続けて3億円以上の利益を挙げている優良企業だ。

この日の司会進行役は2人。最初に、手話を使った挨拶も行われていた。

この日の司会進行役は2人。最初に、手話を使った挨拶も行われていた。

朝礼は午前9時から始まる。しかし、社員の大半はすでに出社し、社内と地域の掃除を行い、自主的な勉強会も済ませている。健康食品の会社だけに早寝早起きが習い性になっているのだろう。朝礼は全員参加で、1時間30分はかかる。内容も実に盛りだくさんだ。

・ストレッチと体操
  ・売り上げ、契約件数の報告:売り上げの報告といっても事務的なものではない。冗談をまじえながら、和気あいあいの様子である。
  ・顧客からのお便り紹介
  ・ありがとう委員会:感謝を述べることの大切さを実感するため、仕事を手伝ってくれた社内の人間に対して、「誰々さん、ありがとう」とお礼を言うコーナー。
  ・社内連絡:社員のスピーチ訓練ともいえる場。聞き手が関心を持つように、工夫を凝らして話をする。
  ・見学者の紹介:同社の朝礼はオープンであり、常に何人かの見学者がいる。見学者はただ見るだけでなく、朝礼に対しての感想を発表しなくてはならない。見学者にとってもスピーチ、話し方の訓練になる。
  ・川畑保夫社長のあいさつ
  ・社内スローガンの唱和

以上がだいたいの内容で、発表者は20人以上にもなる。また、みんなの前で話をするだけでなく、寸劇風のスピーチもあればクイズ形式の業務連絡もある。総合エンターテインメントとも表現できる朝礼だ。

(小原孝博=撮影)