なぜ北朝鮮は日本海にミサイルを発射するのか。YouTubeでの歴史解説で累計1億回以上の再生回数を誇る「非株式会社いつかやる」のメンバー、いつかやる社長は「北朝鮮の目的はアメリカへのアピールで、中国の隣国という地理的条件を利用している。地政学的に考えれば、いたずらに不安を抱くことはなくなる」という――。
※本稿は、いつかやる社長『90枚のイラストで世界がわかる はじめての地政学』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。
北朝鮮がミサイルを発射する地政学的理由
北朝鮮は朝鮮半島にある国で、韓国の北に位置する。
年々ミサイルや軍隊を強化していて、「演習と称し、北朝鮮から日本海にミサイルが発射された」なんてニュースもよく聞いたりするよね。かなり危険なイメージがある国なんだけど、国内はとても貧乏で、貧しい地域では餓死してしまう人が出るほどの食糧難にも悩まされているんだ。
にもかかわらず、ミサイルを撃ったり軍を強くする理由は、北朝鮮に「考え」があるためなんだ。
じつはこのミサイル、アメリカへのアピールなんだ。
北朝鮮はミサイルを強くすることで自分たちを危険な国だと思わせて、アメリカを交渉の場に引き出したいと考えている。その交渉でアメリカから経済支援を受けることができれば、国内の食糧不足も貧困も解決できるからね。北朝鮮はアメリカと仲がいい日本に「いつでも攻撃できるんだぞ!」とアピールするためにミサイルを撃っているんだ。
もちろんミサイルは驚異的だから、十分注意しなくちゃいけないんだけど、必要以上におびえることはないんだ。
アメリカが北朝鮮に経済支援をおこなう可能性は十分にある。北朝鮮はアメリカ最大のライバル中国の隣となりにあるから、北朝鮮を味方にできれば、中国の動きをより近くで封じることができるんだ。
北朝鮮も自分たちの地政学的によいところを利用しているんだね。