仕事の価値を判断する「3つの問い」

その判断には、次の「3つの問い」が役に立ちます。

あなたが日々行っている仕事は、

①お客様の「買う」という意思決定に影響を与えているか?
②商品・サービスを買った後、本当に「使う」か?
③それを使ったら、「役に立つ」か?

例えば、健康食品を売る営業が、お客様のところへ出かけていき、一生懸命、商品の説明をしたとします。

①は、その説明によってお客様が「最近、体調悪化がひどくて……。ずっとこういうものを探していたんです。ぜひ買います!」と、その健康食品を買ってくれるかどうか、ということです。

②は、その健康食品を買ってくれたお客様が使ってくれたか、そして、その後も同じ商品を継続して買い続けてくれたかどうか、ということです。

③は、その健康食品を摂り続けた結果、お客様の体調が大幅に改善。悩みが解消されて、「すっかり体調がよくなったよ!」と喜んでもらえたかどうか、ということです。

これら3つのどれか1つでも当てはまれば、その仕事には「価値がある」と言えます。逆に、①から③のどれにも当てはまらないことに価値はありません。気をつけてほしいのは、①が起こらない限り②③が起こることはないことです。

価値がないこと=「ムダ」です。

日々さまざまな仕事に取り組む中で、その仕事の価値の有無を判別するためには、この3つの問いに答えてみるとよいでしょう。

キーエンス社員が徹底的に突き詰めること

かつて私が在籍したキーエンスでは、マーケットイン型、つまり、顧客のニーズにフォーカスした新商品企画・開発がなされており、日本有数のマーケットイン型企業と呼ばれていました。

・なぜお客様が買うのか?
・本当にその商品・機能は使われるのか?
・使われたら本当に役に立つのか?
・どんな役に立つのか?

について、企画・開発前に徹底的に突き詰めるのです。

顧客のニーズを突き詰めるプロセスにおいて欠かせないのが「市場調査」です。

しかし、多くの企業では、この「顧客のニーズを突き詰める」こと、つまり市場調査をキーエンスのように徹底して行っていません。

そう言うと、多くの人は、「いやいや、うちも市場調査はしていますよ」と反論したくなるかと思います。

では、お聞きしますが、

その市場調査は、買い手に直接聞いていますか?
その商品を作ったら、お客様から本当に「買う」と言われていますか?