5%社員はデジタル空間でも歩き回る

テレワークは業務効率を高め、場所にかかわらず共同作業ができる点で、大きなメリットをもたらします。一方で、物理的な対面接触回数が減少しますので、人間関係を広げていくのは困難です。

そこで5%社員は、偶然の出会いを必然のものとするために、デジタルの中でも歩き回っていました。

コロナ禍で一気に膨れ上がったウェブセミナーですが、とくに平日の夕方は無料の学習型のセミナーが盛んに開催されていました。実際に足を運んで参加するのは難しいようなセミナーにも、気軽にワンクリックで参加ができるようになりました。

ウェブセミナーの中には製品やサービスを売り込むためのセミナーもありますが、5%社員はインプットの場だと割り切って数多くのセミナーに参加していました。

「学習の場に足を運ぶのは、20代から定期的にやってました」
「ビジネスのヒントは社内ではなく社外にある。30代で見つけたヒントをもとにしてヒット商品を開発しました」

このような経験を口にする5%社員が多いのです。

オンライン会議中の女性
写真=iStock.com/filadendron
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5%社員の97%がオンラインセミナーに参加経験あり

20代・30代で社外の人に触れる習慣を身に付け、40代・50代でも継続しているのが5%社員でした。ですから、コロナ禍でもウェブセミナーに積極的に参加します。

セミナーには当たり外れがありますが、5%社員は「怪しい」と思うと、すぐに退席して時間を無駄にしません。

約1万7000人のビジネスパーソンに対してアンケートを取ったところ、オンラインセミナーに参加したことがある人は全体の62%でした。5%社員に特化すれば97%。

セミナーに定期的に参加している人は、一般社員が22%なのに対して、5%社員はその3倍にあたる65%でした。5%社員は20代・30代で社外の人と情報に触れる習慣を身に付け、コロナ禍でも継続していました。

ウェブセミナーに定期的に参加するなど、デジタル世界でも活動量を増やし、「偶然の出会い」を引き寄せています。

つまり5%社員は、職場やデジタル空間でも積極的に動き回り、人と情報に多く触れることで、自分のキャリアに影響を与える「偶然の出会い」を必然にしていたのです。