5%社員は「やっぱり良かった本」ではなく、「意外に良かった本」が自分のキャリアに影響を与えることを理解しています。

私自身、キャリア人生を決定付けた書籍『イノベーション・オブ・ライフ』や『SPIN式販売戦略』は、訪れた書店で偶然手にしたものでした。

職場では「あいさつ」と「歩き回り」を習慣に

5%社員は、社内であれ、書店のような出先であれ、とにかく歩き回ります。じっと座っているのではなく、動き回って多くの人と情報に触れています。

越川慎司『29歳の教科書』(プレジデント社)
越川慎司『29歳の教科書』(プレジデント社)

社内でなにかを依頼する際も、メールやチャットではなく、相手のデスクへ出向いて話しかけます。また、社内を歩き回るときは会った人に大きな声であいさつをしています。

「おはようございます! 出社時間、早いですね!」
「こんにちは! 先週はありがとうございました」
「お疲れさまです。先週のプレゼンはダメだったのですが、次回リベンジします!」

元気なあいさつに、仕事上の感想や自分自身の思い(感情)を付け加えることで、円滑な人間関係を構築していました。

声を掛けられる側の立場になって考えると、理由はすぐにわかると思います。いつも元気にあいさつしてくる後輩が、なにかで苦労しているなら「助けたい」と思うのが人情というものでしょう。

彼らは、あいさつと自己開示によって、「周囲の巻込力」を高めていたのです。

30代以降は「チーム」で解決する、成果を出す

「歩き回っているほうが人との接点が増えて、チャンスをものにすることができる」と発言していた5%社員がいました。

「私は実力がなく、運だけで生きています。その運は人からもたらされます」と言っていた人もいました。

自分一人の努力と根性で成果を出せるのは20代まで。複雑な課題を解決するには「個人戦」では無理で、「チーム戦」で挑まなければなりません。

20代からチームで働くことに慣れている社員は、30代・40代でも成果を出し続けています。