毎日を機嫌よく過ごすにはどうすればいいか。モナコ在住の起業家プロデューサーで美容家のエミチカさんは「モナコの大富豪たちは、自分が気持ちよく過ごすための良い習慣をもっていた。この習慣が社会的成功を引き寄せているのではないか」という――。

※本稿は、『結局、「手ぶらで生きるひと」がうまくいく』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

モナコの大富豪が「ベッドメイキング」をメイドにまかせない理由

私が暮らしているモナコのメゾンのオーナーであるマダム・フローレスは、モナコでの暮らしの作法がまったくわからなかった私に、いつも「大丈夫?」と声をかけてくださいました。

そして、一緒にいるだけで「女性の美しさの可能性をもっと広げたい!」と思えるような良い影響を与えてくださっています。

フローレスは、私と同じ時期に夫を亡くし、今は資産家として、そして会社を経営するビジネスパーソンとして、一人で暮らしています。

海外でビジネスをしているので、多忙な日々を送っているのではないかと思いきや、彼女の暮らしぶりはエレガントで、しなやかに人生を楽しんでいるのです。

マダム・フローレスは、仕事でロンドンへ移動するという忙しい朝でも、ベッドメイキングは必ず自分でやります。初めてその様子を見たとき、私は、「せっかく高いお金を払ってメイドさんを雇っているんだからまかせればいいのに。忙しい朝になぜ自分でやるのかしら?」と思いました。

そこでマダム・フローレスにわけを尋ねてみると、こんな答えが返ってきました。

「シーツがぐちゃぐちゃのままで1日が始まるなんてナンセンス! 私はベッドメイキングしながら、1日のスケジュールを思い描いて確認するの。そして、『最高の1日になりますように』ってイメージングするの。そうすると、本当に最高の1日が送れるのよ」