2028年までに全国に浄酎モデルを取り入れる
日本酒業界を救うためには海外展開が不可欠、と三宅は考えている。幸いにも海外市場に詳しいし、人脈も持っている。20代を上海で過ごして中国語を習得。しかも一貫して日本酒ビジネスに携わっていた。
2022年7月にはシリコンバレーに1週間にわたって滞在。経産省が立ち上げたイノベーター育成プログラム「始動」の選抜メンバーになり、地元の起業家や投資家との交流を深めた。もちろん浄酎を持参し、あちこちで試飲してもらっている。
シリコンバレー滞在中には地球の裏側で大きなニュースが飛び出した。ナオライが双日との業務提携にこぎ着け、浄酎の販売やアミノ酸の商品化で協力を得られることになったのだ。総合商社との提携はグローバル展開の足掛かりになりそうだ。
三宅は長期的な目標として、2028年までに全国47都道府県に浄酎モデルを取り入れる構想を掲げている。中立的な立場で全国各地の酒蔵と組んで浄酎の地域ブランドをつくり、国内外での販路拡大を側面支援していくわけだ。
実は、ナオライ創業者は二足のわらじを履いている。2019年に久比を拠点にするソーシャルエンタープライズ「まめなプロジェクト」を立ち上げ、共同代表に就任している。つまり、ルーラル起業家・社会起業家であると同時にシリアルアントレプレナー(連続起業家)でもあるのだ。
「まめなプロジェクト」とは何なのか。次回で紹介しよう。(文中敬称略)
(第7回に続く)