アフガンの過ちを繰り返さないために

アメリカによる監視を強化すれば、供与された武器が必要な場所に届くのが遅れるというウクライナ側の理屈を、キャンシアンは一蹴する。「これらの(監視の)メカニズムには干渉が過ぎる印象があるかもしれないが、実際はアメリカが援助を行う際のスタンダードだ」

「アフガニスタンのときのように『この国は腐敗していて、金を出しても横取りされてしまうだけだ』という見方が出てきたら、ロシアと戦い続けるために必要な長期的な支援は消えうせるだろう」と彼は言う。

この問題について国務省の報道官は、バイデン政権はゼレンスキー政権と直接手を携え、あらゆる形の支援が必要なところに届くよう努めていると述べた。「アメリカは自国の防衛技術を守り、その横流しや違法な拡散を防ぐ責任を非常に重く受け止めている。支援に関する説明責任がしっかり果たされるよう、われわれはウクライナ政府への積極的な関与を続けている」。だがこうした言葉だけでは、さらなる透明性を伴う厳格な仕組みを求める人々を納得させることはできない。

SIGARのソプコも支援については、監視を含めて党派を超えた取り組みが大事だと考えている。「それこそが本当に必要だ」とソプコは言う。「そうでなければ、われわれは歴史のハムスターの回し車に乗って、同じ過ちを繰り返し続けることになる」

当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら
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