勝手に掲載・評価され、削除できない不条理

さらに食べログでは、店舗側が拒否していても店舗情報は掲載されるようになっている。不快な口コミを書き込まれても、基本的には削除してもらえない。無理やり掲載され、勝手に評価・ランキングされ、しかも有料サービスに加入しないと評価が下げられるうわさまであることで、飲食店側が不審を抱いても仕方がないだろう。

他方で、食べログ側は規約やガイドラインにのっとり、一定の条件を満たしていない口コミや表現に問題のある口コミは投稿者に修正を依頼するほか、内容や表現に問題が多い場合は削除などを行っていることは認めている。こうした対応の一貫性のなさが、一般ユーザーからの信頼性の低下にもつながっている。

食べログのPRサービスは「ライト」から「プレミアム10」までの4種類あり、月額固定で1万~10万円だが、標準検索優先表示などの露出を増やすためには月額2万5000円の「ベーシック」以上のプランに加入しなければならない。ネット予約サービスを利用する場合は、ランチで一人当たり100円、ディナーで一人当たり200円の従量課金制となる仕組みだ。

有料サービスがコロナ禍の飲食店にのしかかっている

食べログ以外のグルメサイトでも、有料サービスに加入しないといけないプレッシャーが飲食店にかかっている。

たとえばぐるなびでは、店舗情報の掲載に、「スタートプラン」から「ベーシックプラン」まで3種類のプランが用意されている。スタートプランでのネット予約手数料は、ランチで一人当たり40円、ディナーで一人当たり200円などの従量課金制だ。さらにぐるなびでの露出を増やしたいと思えば「ライトプラン」以上の利用が必要となり、月額固定の基本加盟料は1万1000円~3万3000円かかってくる。

コロナ対策で疲弊する飲食店オーナー
写真=iStock.com/twinsterphoto
※写真はイメージです

しかし、コロナ禍で続く外出自粛で飲食店が経営難となり、家賃と合わせて、このようなグルメサイトの手数料が重荷になっている。その結果、日経ビジネスによると、飲食店が食べログやぐるなびなどのグルメサイトに有料会員の解除や手数料の減額を求めているという。グルメサイト側も一時的に無料などの措置を取ったものの、会員数は減少し続けている(※)

※「新型コロナで加速するグルメサイト離れ、今こそ外食支援を