NHKも「感動ポルノ」と批判する番組
今年も8月27日・28日に「24時間テレビ45 愛は地球を救う」(日本テレビ)が放送される。はたして、あなたの気持ちは「待ってました」という期待か、「けっきょく今年もやるの?」という落胆か。
同番組は以前から「出演者はギャラをもらっているんでしょ?」などとチャリティ番組としての立ち位置を指摘され続けていたが、特に2010年代後半は「バリバラ」(NHK Eテレ)の「感動ポルノ」論争もあって批判が沸騰。さらに2020年以降はコロナ禍の感染予防や国民感情も加わって、ネット上が「24時間テレビ」の話題になると否定的な声で覆い尽くされる状態が定番化している。
そんな世間のムードを感じ取ったからなのか、いつの間にか同番組への寄付金は「福祉」「環境」「災害復興」の3点に使われるように変わっていた。実際、主要目的に福祉だけでなく環境保護や復興支援を打ち出すことで、「感動ポルノ」という批判は薄れたかもしれないが、それでも「24時間テレビ」への否定的な声が収まったわけではない。
日本テレビが同番組を放送し続ける意味にはどんなものがあるのか。二十数年前から現在まで、テレビ業界や番組関係者から聞いてきた声を交えながら、その理由を掘り下げていく。
ビジネス的にやめる選択肢はない
なぜ「24時間テレビ」を放送しているのか。最もシンプルな答えは、「多額の募金を集められて、視聴率がとれるから」だろう。コロナ禍に突入して以降も、募金額9億円弱、世帯視聴率2桁超えを達成し続けているのだから、その影響力が衰えたとは言えず、これだけでも十分な放送意義がある。
ネット上に批判が飛び交う状態が続いても、スポンサーはつき、キャスティングへの影響もごくわずか。募金額と視聴率が大幅に下がらず、スポンサーやキャストから嫌われていない以上、ビジネス的に民放局が「放送をやめる」という選択肢を選ぶ必然性は低い。