老化に直結するビール、老化防止になるワイン

ドクターの視点から、医学的におすすめなお酒の飲み方をお伝えします。

お酒は、なるべくGI値(グリセミックインデックス)の低いものを選ぶのがコツです。GI値とは、食後血糖値の上昇度を示す指数で、この指数が高いほど、体の老化の大きな原因である「糖化」が高まります。

糖化というのは体の「焦げ」ともいわれ、動脈硬化や肌質に影響があるなど、いわゆる身体的な「老化」に直結するものです。パンをトーストすると、焦げ茶色になりますが、あれはパンが糖化しているからこそ。人体でも同じ現象が起こっており、糖化が進むほど体内の老化は進んでいきます。

お酒についても、体を糖化させる度合いが低いものを選んだほうが、老化防止になります。様々なアルコールのなかで、体を糖化させるGI値が低いのはワインで、一番高いのはビール。私も日ごろから自宅ではワインを飲み、ビールを飲むことはなくなりました。ワインがないお店では、焼酎のソーダ割りやロック、そしてウイスキーのような蒸留酒を飲むことをおすすめします。

グラスにワインを注ぐ
写真=iStock.com/kuppa_rock
※写真はイメージです

ワインは体の酸化=老化を抑える効果もある

また、人間の体の老化には、糖化に加えて「酸化」という現象が大きくかかわっています。人が生きる上で、呼吸して酸素を取り入れることが不可欠です。

少し専門的な話になりますが、酸素が体内で別の分子と結びつくことで、活性酸素を発生させます。活性酸素は体になくてはならないのですが、過剰に増えると細胞を傷つけ老化を促進します。

この活性酸素を抑えるために「抗酸化」という働きが体に起こりますが、年齢とともに抗酸化作用は弱まっていきます。そのため、老化を抑えるには抗酸化作用のある食べ物を積極的に摂取することが効果的です。

ワインには抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれているため、体の酸化を防ぎ、老化を抑える上でも優秀です。