「一人酒」の機会はなるべく抑えてほしい

昭和を代表する大スター・美空ひばりは晩年、「一人酒」を毎晩の日課にしていたといわれています。彼女はまさに「悲しい酒」を地でいく私生活でした。

お酒はやめなくていいとお伝えしましたが、飲み方に関して、一つだけ気を付けたいことがあります。それは一人酒の機会をなるべく抑えてほしいのです。

和田秀樹『60歳からはやりたい放題』(扶桑社)
和田秀樹『60歳からはやりたい放題』(扶桑社)

年齢を重ねるほど、一般的にはお酒に弱くなります。年齢とともに内臓の機能が衰えるのは、アルコールを代謝する肝臓も同じです。

つまり、歳を取るほど、以前ほどの量を飲めなくなるわけです。若い頃と同じくらいの量を継続して飲んでいるだけならば、それほど大きな問題になることはないと思いますが、飲めなくなるはずの年齢でも酒量が増えているということは、やはり依存症傾向が自分にあることを自覚するべきです。

誰かと飲む分には酒の量が多少増えてもかまいません。仲間と騒ぐとか愚痴をこぼすとかというような「楽しい酒」である場合は、さほど問題を感じません。

問題は、一人酒です。一人酒が多い人ほど、うつ傾向やアルコール依存症の傾向が強いです。「一人で毎日飲まないと眠れない」という理由から大量にお酒を飲むのであれば、お酒に頼るのではなく、病院にかかって眠るための適切な投薬を受けることをおすすめします。

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