高校野球は甲子園で終わりではない
第104回全国高校野球選手権大会は、仙台育英高校の優勝で幕を閉じた。東北勢の初優勝は大きな話題となったが、実は高校野球はこれで終わりではない。
9月9日からアメリカ、フロリダで第30回WBSC(世界野球ソフトボール連盟)U-18ベースボールワールドカップが開催される。日本からは甲子園で活躍した選手などが選抜され、WBCなどと同じ「侍ジャパン」のユニフォームで世界の同世代と戦うのだ。
なぜ世界大会で日本の高校生は負け続けるのか
夏の甲子園は、間違いなく「世界最大の野球大会」だ。減ったとはいえ、参加校数は3547校、13.1万人の選手が参加する(ベンチ入りは約6万人、2022年のデータ)。6月半ばから2カ月もの期間をかけてトーナメントを行い、優勝チームを決める。
韓国で硬式野球部がある高校は約90校程度、台湾で190校ほどだ。すそ野は比較にならないほど小さい。またアメリカは1万校前後とされるが、真剣に野球をしているのは800校ほど、そして州大会が頂点で、全国大会は行われていない。
ライバルの顔ぶれからも、U18大会では日本が圧勝してもおかしくないように思われるが、本格的に参加した2012年以降、日本はただの一度も優勝していない。
2012年(第25回・韓国、ソウル)6位
2013年(第26回・台湾、台中)2位
2015年(第27回・日本、大阪)2位
2017年(第28回・カナダ、サンダーベイ)3位
2019年(第29回・韓国、キジャン)5位
2019年は大船渡の佐々木朗希(ロッテ)、星稜の奥川恭伸(ヤクルト)、興南の宮城大弥(オリックス)などが参加したが日本はスーパーラウンドで5位に終わり、決勝に進めなかった。
「長い夏の大会を終えた日本選手には『甲子園疲れ』があり、実力が発揮できない」という声もあるが、関係者はもっとはっきりした原因があると見ている。
それはバットだ。