ポテチがやめられないのには理由がある

Q お菓子、スイーツがやめられません!
A それは「意志が弱いから」ではないんです

「ちょっとだけ」と思ってポテトチップスを食べ始め、いったん途中でやめて袋をクリップで止めたのに、「やっぱり、もうちょっと」とまた開けて、気づいたら「ラッパ飲み」状態で残りカスをもれなく喉で受け止めている……。

そんな経験、ありませんか? 私もしょっちゅうやっていました。

ポテトチップスの袋は、開けたら途中でやめられないのは、実は自然なことなのです。

どういうことかと言うと、食べ始めると止まらない、病みつきになりやすい食べものには共通点があるのです。

それは、む回数が少ないこと。一口(一度に口に入れた分)あたりの噛む回数・時間が短くてすむものです。

要は「ちょっと噛んだら飲み込んでしまうもの」です! まさにポテチですね。

ポテトチップスを食べる手がとまらない
イラスト=なかきはらあきこ
池谷敏郎『血糖値はたった1分の習慣で下がる!』(秀和システム)より

「幸せ」がすぐ消えてしまう

おいしいものを食べて「おいしい!」と思うと、私たちは幸せを感じます。

このときに脳内ではβエンドルフィンやドーパミンといった、幸せや快楽を感じるホルモンが分泌されています。

ポテトチップスのようなスナック菓子は、噛むとパリパリッと噛みごたえはありますが、「おいしい!」と思った次の瞬間に喉の奥に消えてしまいます。いつまでも噛んでいられません。「一口あたりの噛む時間が短い」というのは、このことです。

そうすると、幸せを感じさせてくれるものがすぐに消えていっちゃうので、「もっと欲しい!」と脳が欲してしまうのです。だからついつい手が伸びて、“やめられない、とまらない”状態になってしまうのです。

一口あたりの噛む回数が多いものは、しばらく口の中にとどまるので、噛み続けることになります。その間に満腹中枢が刺激され、食べすぎに至らずにすむというわけです。

早食いの人は、食べる量も増えがちです。なぜかというと、ほとんど噛まずに飲み込んでしまうので、なかなか満腹を感じられないからです。

また、早食いで飲み込むように食べていると、すぐに口の中から消えてしまうからドーパミンの影響で「もっと、もっと」と欲してしまうのです。

昔から「よく噛んで食べましょう」と言われるのには、こういう根拠があったのです。