36歳で血管年齢45歳、体重79キロだった循環器内科医の池谷敏郎さんは、現在60歳で血管年齢30歳、体重66キロを維持している。池谷さんは「厳しい糖質制限だと続かない。好きなものを食べながら賢くコントロールする“なんちゃって糖質制限”でいい」という――。(第2回/全3回)

※本稿は、池谷敏郎『血糖値はたった1分の習慣で下がる!』(秀和システム)の一部を再編集したものです。

池谷敏郎『血糖値はたった1分の習慣で下がる!』(秀和システム)より
イラスト=なかきはらあきこ
池谷敏郎『血糖値はたった1分の習慣で下がる!』(秀和システム)より

ざっくり1日で帳尻が合っていればいい

大事なのは、1日のトータルでバランスをとることです。

たとえば、「今日のランチはちょっと食べすぎたな」と思ったら、「明日は少なめにしよう」ではなく、その日の夜に、昼間食べすぎた分を差し引いて食べる。

数日とか1週間ではなく、朝起きてから夜寝るまでの間の1日の中で帳尻を合わせるのが大原則です。

とりすぎた糖質やカロリーを翌日に持ち越さない。これが“なんちゃって糖質制限”のポイントです。

食事をコントロールしにくいのが、人と一緒に食べる外食だと思います。

友人との食事会でも、仕事関係の会食や飲み会でも、血糖値や糖質のことばかり気にしていられませんよね。

「これ、糖質が多いから、いらない」なんていちいち言っていたら、せっかくの盛り上がりに水をさしかねません。

私も、人と一緒の外食のときには、出てきたものは、たいていすべていただきます。

先日も、息子の誕生日祝いで家族でレストランに行き、お腹いっぱいに食べました。お酒も飲んで、楽しいひと時を過ごしました。

せっかくおいしいものを食べに行くときには、楽しむ。それも人生においては大切なことです。

その代わり、ランチで外食したら、自宅での夕食は主食抜きで軽めに済ませます。

夜に会食がある日は、朝・昼に炭水化物を抜いて備え、運動もします。

そうやって必ず「その日のうちに」ざっくり帳尻を合わせるので、たとえ昼や夜にお腹いっぱいに食べても、肥満にはならないし、血糖値も悪くならないのです。

帳尻合わせをするにあたって、食事のたびに「朝のクロワッサンの糖質が○gだったから昼は……」などと計算しなくても、慣れてしまえば感覚的に分かるようになります。

慣れるまでの間だけ、以下の「よく食べるメニューの糖質量」と「GI値」のリストを見ながら、多いのか、少ないのか、何と同じぐらいなのかをチェックして、感覚をつかむようにしましょう。