キョーダリョノクがウクライナでの戦闘について批判的な意見を述べたのは、今回が初めてではない。ロシアがウクライナに侵攻する3週間前、彼はネザビシマヤ・ガゼタ紙への寄稿の中で、ロシア軍がウクライナ軍を迅速に打ち負かすことができる可能性を否定し、「今、ウクライナとの武装紛争を起こすことは、ロシアのためにはならない」と書いていた。
また彼は5月に入って「ロシア1」に出演した際に、ロシア国民を総動員しても、大した戦果は挙げられないと述べ、その理由として、ロシアが保有する時代遅れの兵器では、NATOが(ウクライナに)供与した兵器には太刀打ちできないからだと指摘していた。
ロシアメディア・ウォッチャーのジュリア・デイビスは、キョーダリョノクの今回の発言を受けて、次のようにツイートした。「(政府に)異論を唱えることが許されないロシアのテレビに、なぜキョーダリョノクが出演を許され続けているのか。多くの人が疑問に思っているが、その理由は、彼の言葉がプーチン体制に害を及ぼすものではないから。ほかの有識者たちが迅速で簡単な勝利を約束するなか、彼の意見は国民の期待値を引き下げるのに役立つからだ」
当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら