ワインのラベルにある「日本ワイン」と「国産ワイン」は何が違うのか。ワインスペシャリストの渡辺順子さんは「日本では海外から大型容器で輸入したワインも『国産ワイン』と表記されている。重要なのは、ぶどうがどこで栽培されているかだ」という――。
※本稿は、渡辺順子『「家飲み」で身につける 語れるワイン』(日本経済新聞出版)の一部を再編集したものです。
2018年から進められた「日本ワイン」のブランド化
南北に長い日本では、南は鹿児島から北は北海道まで様々な地域で個性あるワインが醸造されています。なかでも、山梨、長野、山形、北海道は日本を代表するワイン産地として人気が高く、世界的に好評価を獲得しています。
2015年、日本初の公的なワイン表示のルールが定められました。これによって、「日本ワイン」と「国産ワイン(国内製造ワイン)」の定義が明確になり、18年から適用が本格的にスタートしました。
「日本ワイン」は国内で栽培されたぶどうを100%使用して国内で醸造したワインです。
特定の地域で栽培されたぶどうを85%以上使用すれば、その地域の名前を明記することができます。
「国産ワイン」は海外から輸入したぶどうや濃縮果汁を国内で醸造させたもの、また大型容器で輸入したワインを国内で瓶詰めしたものも「国産ワイン」と表記されます。
それまではラベル記載内容(収穫地、品種、収穫年)など厳格に規定するルールが設けられていませんでしたが、昨今の日本ワインの品質や知名度の向上により輸出が増え、国際的に通用する基準が求められていました。
2018年、日本での“ワイン法”が施行され、日本ワインのブランド化が進められました。