世界中を魅了する「ジャパニーズ・ウィスキー」のような存在に
さて、2020年に予定されていた東京オリンピックですが、これまで歴代のオリンピック開催国ではワインの輸入も開催国のワインの輸出も大きく伸びる傾向がありました。
2008年の北京オリンピックを皮切りに、中国では大量のワインの輸入と消費が始まりました。以来、中国は輸入と消費の額をどんどん増やし、ワイン産業の歴史を大きく変えることになりました。
2012年、ロンドン・オリンピックではイギリス産スパークリングワインのお披露目が行われました。
それまでワイン生産は皆無であったイギリスですが、温暖化の影響や土壌の研究により、シャンパンさながらの発泡酒の生産が開始されました。
地元の人々に愛され、着々とイギリス産スパークリングワインの生産を伸ばしています。
2016年のリオデジャネイロ・オリンピックではこちらもブラジル産スパークリングワインの需要が大きく伸び、アメリカからたくさんの投資が集まりました。現在もその需要は伸びています。
新型コロナウイルスの感染防止のため無観客での開催となった東京オリンピックにおいて、日本ワインのプロモーションが大々的に行われなかったのは心残りではありますが、現在日本はワイン輸入国としてだけでなくワイン生産国としても世界から注目を集める国の一つになりました。
日本のぶどう畑は大国と違い、大量に生産することはできませんが、ぶどうを一粒一粒大事に育て、丁寧に醸造します。
生産量は少ないものの、その分きめ細やかな作業を行い日本ワインの個性を生み出します。その味わいはとても繊細で、まるで水を飲んでいるように違和感なく体に浸透していきます。
日本ワインは四季折々のお料理、野菜や肉魚など様々な素材やどのような味付けにも合わせやすく、決して主張しすぎない控えめな味わいです。海外でもこの繊細な味わいが評価されてきました。
日本の個性を生かした日本ワインが、今後ますます国内外へ発信されていくことが楽しみです。
一方、日本のウィスキーは世界で最も人気が高く、オークションでも常に高値で取引されています。特に「山崎」「軽井沢」「イチローズ・モルト」などの銘柄は、高額落札額を達成し、「ジャパニーズ・ウィスキー」は世界中の愛好家たちを魅了します。
日本ワインもウィスキー同様、我が国の文化を代表する存在になることを期待しています。