2021年にプレジデントオンラインで配信した人気記事から、いま読み直したい「編集部セレクション」をお届けします――。(初公開日:2021年2月26日)
社員や部下をまとめあげるには、どうすればいいのか。年商10億円の企業を経営する事業家bot氏は「会社員のほとんどは凡人であり、実際の会社経営では理想的な組織論は通用しない。毎日同じ時間に出社するなど、あたりまえのことを社員に浸透させるためには、一見バカバカしい朝礼を実施することが効果的だ」という——。
「個々人が主体性を持って動く組織」は参考になるのか
社員や部下をどうまとめあげればいいのか。経営者や管理職は常に悩んでいる。経営者の端くれである私も、「いいやり方はないか」といつも探し回っている。
そうした組織経営での最近の話題書といえば、2018年に出版された『ティール組織 マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現』(英治出版)だろう。
『ティール組織』の要旨は、「組織の目的のために共鳴しながら活動する組織が理想の組織」「ティール組織ではマネージャーやリーダー、上司や部下といった役割が存在しない」というものである。
具体的には、組織の進化過程を、Red(個人による支配的なマネジメント)→Amber(役割をまっとうする)→Orange(成果主義で、成果に応じ役割が変わる)→Green(主体性と多様性が認められる)→Teal(組織が一つの生命体のようにはたらく)という順に定義し、Tealを理想とするというものである。
確かに、ティール組織のような、個々人が主体性に基づいて動きながら、組織の大目標に向かって調和して動いていける組織体は理想だろう。しかし、実際の企業経営で、本当に参考になるものなのだろうか。