2021年にプレジデントオンラインで配信した人気記事から、いま読み直したい「編集部セレクション」をお届けします――。(初公開日:2021年10月21日)
資産性の高いマンションは、どうすれば見つかるのか。スタイルアクト代表の沖有人さんは「マンションの資産性は売りやすさで決まる。間取りなら3LDKが最も下がりにくい。それ以外にも資産性に影響するポイントがある」という――。
マンションのリビングルーム
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マンションの資産性は「売りやすさ」で決まる

「値下がりしにくい」ことを「資産性がある」と言う。「資産性」という言葉は私が広めたと言っても過言ではない。2012年の初めての著書『マンションは10年で買い替えなさい』はその資産性の法則性を解き明かし、ベストセラーになった。マンションの資産性には7つの法則性があり、それに従えば誰もが資産性の高いマンションを選ぶことができる。それでも迷う人には、住まいサーフィンという無料会員制サイトで全マンションの資産性を開示している。会員が含み益を出す確率は99%以上で、その含み益の平均は2500万円を超えている。

それ以来、資産性は重要なマンション選びの最大の基準になった。分譲マンションの大手連合であるメジャー7のアンケート調査結果によると、物件選びの基準で1位は資産性となっている(メジャー7「新築分譲マンション購入に際しての意識調査 2019年」)。

その資産性は流動性で決まる。流動性とは「売りやすい」ということだ。通常、相場並みの価格設定にすれば、中古マンションは3カ月以内にほぼ買い手が決まる。3カ月で決まらないと不動産仲介会社との契約が一旦切れる区切りのため、その後は値下げされるケースが多くなる。一定期間で売買を成立させるには、ターゲット層が少ないのが最も困る。「内覧する人の数×成約率」からして、前者が少ないのが致命傷だからだ。

売れやすくて、成約価格が下がりにくいのは3LDK

その意味で、間取り別に売れやすくて、売出価格に対して成約価格が下がりにくいのは昔から決まっている。それは、3LDKだ。3LDKは今でも自宅用に売られるマンションの7割を占める。それだけ売れるということは、買い手も同様にいるということだ。

マンションの買い手はファミリー世帯が多い。子どもが1人で3人世帯、子どもが2人で4人世帯なので、3LDKの3部屋はそうしたファミリー世帯には必須なのだ。その次に資産性があるのが、2LDKになる。子どもがいない世帯が増えた結果である。その次が4LDKと1LDKといったところだ。しかし、多様化している住宅ニーズの中、その間に大差がある訳ではない。やや売りにくいがゆえに、どちらかというと3LDKを買う方が無難で、売る際にはやや有利と覚えておくといい。