日本の周りにいるのは脅威となったロシア、中国、北朝鮮。韓国は…

アメリカや日本と歩調を一にしているのは、EU諸国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ。ロシアが非友好国としている国です。もっともEUの中でも、ハンガリーは日和見的です。

新しい世界地図の上で、日本はどうやって生き残っていくのか。東アジアにおいて、ロシアと北朝鮮はすでに現実的な脅威です。中ロの軍事協力が進んでロシアの最新兵器を中国が得れば、軍事力はさらに高まります。友好国であるはずの韓国は中ロとの関係も深く、歴史認識などさまざまな問題では日本に厳しく当たってきます。

国ごとに抱える事情を、等閑視してはなりません。ウクライナでの戦争が終わったあとの東アジアは、日本にとって脅威となったロシア、北朝鮮、そして中国。どっちを向いているのかわからない韓国。こうした国際関係の新たな緊張の中で、われわれは最前線に立たされる可能性があります。

アメリカとの同盟は重要です。しかし、それがアメリカと価値観を完全に共有するというイデオロギー同盟という選択肢でいいのかについて、われわれは自分の頭で考えなくてはなりません。

(構成=石井謙一郎)
【関連記事】
【連載第7回】プーチンが描く恐怖の構想…佐藤優「ウクライナを小国家に分割し、少しずつ併合する」
「プーチン=極悪非道、ゼレンスキー=正義の味方」そんな安直な思考が見落とす重要事実
「制裁の影響でロシア人は妄想の世界に入り始めている」佐藤優が教える「危なすぎる兆候」
「ブチャ虐殺を普通のロシア人はどう受け止めているか」佐藤優「事態は極めて深刻」
「EUの脱炭素戦略はそもそも無理筋だった」ウクライナ戦争で明らかになったロシア依存の危険性