上場で「親離れ」多角化で失敗も
オリックス会長 宮内義彦●みやうち・よしひこ 1935年、兵庫県生まれ。58年、関西学院大学卒業。60年ワシントン大学でMBA取得、日綿実業(現・双日)入社。64年オリエント・リース(現オリックス)入社。70年同社取締役、80年代表取締役社長を経て、2000年代表取締役会長。03年取締役兼代表執行役会長に就任。
1976年の夏だった。毎週、日曜日も、東京・浜松町の世界貿易センタービルにあった東京本社へ出た。中途採用者の最終面接に出るためだ。社長以下の役員が7人並び、その一番端に座る。3カ月ほど前に、専務になっていた。でも、満40歳。まだ最若手の役員だった。
役員面接に残っていた面々は、何度か選考を経てきた人たちだから、個々に長所は持っていた。だが、他の役員とのやりとりを聞いていて、なかなか「これだ」と頷くケースがない。丸1日続けて、2、3人しかマルが付かない日もある。
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