国際化の苦しみ「空リース」の危機
オリックス会長 宮内義彦●みやうち・よしひこ 1935年、兵庫県生まれ。58年、関西学院大学卒業。60年ワシントン大学でMBA取得、日綿実業(現・双日)入社。64年オリエント・リース(現オリックス)入社。70年同社取締役、80年代表取締役社長を経て、2000年代表取締役会長。03年取締役兼代表執行役会長に就任。
1978年8月、ボーイングのジャンボ機を英国航空へリースする契約を結ぶ。当時、日本の対米貿易黒字が膨らみ、日米貿易摩擦が激化していた。日本政府は、黒字減らしに様々な手を打つ。その一環として、米国から航空機や電算機などを緊急輸入し、東南アジア諸国へリースさせる、という策をとる。資金は、政府系の日本輸出入銀行(現・国際協力銀行)が、低利で融資した。
リースは役務契約と扱われ、輸出入統計に入らない。だから、航空機リースはジャンボ機を買う額だけが輸入に計上され、対米黒字が減る。英国航空向けが第一号で、契約高は約6400万ドル(約110億円)。商社と協調リース団を組んだ。
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