ゲレンデ、カイエン、レンジローバーが3強

筆者は、過去10年以上にわたり、出張などを除けば正月を含めた365日、外苑西通りを運転して通っている。同じ道を毎日運転すれば、毎日のように出会う車があり、今どんな車が人気なのかも手に取るようにわかるものだ。発売されたばかりの高級外車やフェラーリ、ランボルギーニが普通に走っているのも外苑西通りの特徴だ。

セダンからSUVが主役の座を奪ったなか、外苑西通りを走る高級外車SUVでよく見かけるのは、やはりメルセデスベンツGクラスの「ゲレンデ」だ。芸能人御用達といわれるこの車、2018年に40年ぶりにフルモデルチェンジして以降、さらに人気に拍車がかかり、正規代理店では品薄状態が続く。外苑西通りでも見かけるボディカラーは、黒と白系が多いが、目立つ赤に加え、迷彩色やカーキ、サハリ色など他車と被らないこだわりをもったものも増えてきている。ホイールやエアロパーツなどでも差別化している。よりドライビングパフォーマンスの高いAMG仕様車も多い。

車のハンドルを握っている女性の手元
写真=iStock.com/bee32
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ゲレンデと双璧を成すのが、ポルシェ・カイエンだろう。弟分のマカンと合わせれば、高級外車SUVでは数的には一番多いのかもしれない。女性ドライバーが多い印象なのも特徴だ。そして、ランドローバーも外せない。フラッグシップのレンジローバーは見た目も大きく、貫禄ある王者の風格だ。こちらも弟分イヴォークやヴェラール、さらにディスカバリーを加えれば、数的にも相当多い印象だ。現在、納車まで1年近く待つとされる新型ディフェンダー(編注:情報は当時のもの)を見かける機会も徐々に増えており、ランドローバーの勢いはこの先も増しそうだ。

タクシー、社用車、業務用ハイエースも目立つ

高級外車SUV3強のゲレンデ、カイエン、ランドローバー以外では、マセラティのレヴァンテも多い。さすがに数は限られるが、ベントレーのベンテイガやアストンマーチンのDBX、ランボルギーニのウルスと遭遇することもあり、思わず見入ってしまうのも外苑西通りを通る楽しみだ。

SUVといえば、販売台数が右肩上がりで大人気のジープのラングラーも10年前からこの界隈では売れていた。日本で最もラングラーを売り上げているとされるジープ世田谷の顧客の多くは、この外苑西通り界隈であるという。

もちろん、メルセデスベンツやBMWにアウディといったドイツ御三家やポルシェも多く見かけるし、一時期、その人気から納車までに時間が掛かったボルボのXC90やXC60も増えているものの、割合的にはむしろやや少ない印象すらある。

もちろんビジネス街を含む都心を貫く外苑西通りを走るのは高級外車だけではない。トヨタ製のハッチバックタイプのタクシー「ジャパンタクシー」、社用車・ハイヤー利用の緑ナンバーの黒いアルファード、活発な都心での再開発や、店舗や住宅のリフォーム需要からか、業務用ハイエースなども多い。数的には通行する車の半数以上がこうした車だろうか。