冷凍食品の加熱時間は同じような商品でも微妙に違う。その理由を考えたことはあるだろうか。冷凍食品の国内最大手ニチレイフーズに理由を尋ねたところ、そこには「おいしい」を追及する開発陣のこだわりが隠されていた――。
いろんな電子レンジで何回も試す
冷凍食品は便利だ。調理は規定の時間、電子レンジで温めるだけ。しかし、この加熱時間はどうやって決められているのか。計算式でもあるのだろうか。冷凍食品の国内最大手ニチレイフーズに取材した。
現在、ニチレイフーズでは120種以上の家庭用冷凍食品を展開している。加熱時間は、炒飯やドリアでは1食につき600W4分前後、から揚げやミニハンバーグなどのおかずでは1個につき600W40秒前後が多い。重量によって違うのは当然だろうが、商品をより細かく見ていくと、同じような商品でも加熱時間が微妙に違うことに気づく。
例えば、「お弁当にGood! 衣がサクサク牛肉コロッケ」と「たいめいけん カレーコロッケ」は、両者ともほとんど同じ大きさだが、加熱時間は牛肉コロッケが1個30秒、カレーコロッケで1個20秒となっている。
ニチレイフーズ家庭用事業部の蟹沢壮平さんに聞いてみると、「端的に言うと、加熱時間はいろんな電子レンジで何回も調理試験をして決めています。重量だけでなく、厚み、配合、色々な要因が影響しますので、計算式のようなものを用いて決めているわけではありません」という答えが返ってきた。
ニチレイフーズでは冷凍食品の加熱時間の決めるまでに、次のプロセスを経ているという。