2021年下半期(7月~12月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった記事ベスト5をお届けします。社会部門の第4位は――。(初公開日:2021年9月16日)
秋篠宮家の長女、眞子さまと小室圭さんの結婚報道で、賛否両論の議論が巻き起こっている。その一方で、武蔵大学社会学部教授の千田有紀さんは「眞子さまの結婚騒動が、母である紀子さまの評価にも大きく影響している」という――。
全国赤十字大会に出席し、笑顔で退席される皇后雅子さま、秋篠宮妃紀子さま、常陸宮妃華子さま
写真=時事通信フォト
全国赤十字大会に出席し、笑顔で退席される皇后雅子さま、秋篠宮妃紀子さま、常陸宮妃華子さま=2019年5月22日、東京都渋谷区の明治神宮会館

紀子さまの評価がどう変わるのか

4年にわたる眞子さまの婚約騒動に、なんとか結婚というかたちで、目処がつきそうである。とりあえず、ホッとした。

それと同時に私の頭に浮かんできたのは、「この結婚騒動が決着したら、紀子さまの評価はどう変わるのか」という疑問である。

2006年に悠仁さまを出産されてから、紀子さまは「国民が心配している後継ぎ問題を解決した」と、人気がうなぎのぼりだった。「皇室における理想の女性」と褒めたたえられてきたが、眞子さまのこの婚約騒動から「子育てを失敗した」と評価が変わりはじめた。

一方、2019年に今の天皇皇后陛下へと代替わりしてからの雅子さまの華麗な「皇室外交」デビューに、国民は「さすが雅子さま」と舌を巻いた。皇太子妃時代には、「そんなにまでして海外に行きたかったのか」と批判にさらされてきたことなど、まるでなかったかのような評価の変わりようである。

雅子さま人気と紀子さま人気の関係

皇室をめぐる反応で興味深いのは、雅子さまと紀子さまの人気がシーソーゲームのような関係にあることだ。「あなたは雅子さまが好き? それとも紀子さまの方が好き?」と聞くと、とくに私の年代の女性たちは、非常に饒舌になる。そして、雅子さま派、紀子さま派と、女性のなかでは、はっきりと「贔屓ひいき」が分かれる傾向がある。「どちらも好き」という人は、意外に少ない。

おそらく私たちは、このお2人に「女性はいかに生きるべきか」という女性のロールモデルを見出しているのだろう。そもそもこれまで、いち宮家の妃でありながら、紀子さまほどに注目された人はいない。それはまず、紀子さまの結婚の事情が大きく影響している。