「愛子天皇」は憲法の理念にもかなうはず

愛子さんが天皇になってはなぜいけないの?

多くの国民が疑問に思っているに違いない。

新聞を始め、テレビ、通信社の世論調査、どれも「愛子天皇を望む」という声が7割以上あると報じている。

上皇ご夫妻にあいさつするため、高輪の仙洞仮御所へ向かわれる天皇、皇后両陛下と長女愛子さま=2022年1月1日、皇居・乾門
写真=時事通信フォト
上皇ご夫妻にあいさつするため、高輪の仙洞仮御所へ向かわれる天皇、皇后両陛下と長女愛子さま=2022年1月1日、皇居・乾門

憲法第1条には「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」とある。それなのに男性しかなれないというのはどう考えてもおかしいと思う。多くの国民が望んでいる愛子天皇は憲法の理念にもかなうはずだが、事はそう簡単ではないようだ。

憲法第2条に「皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」とあり、皇室典範には「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と定められているからだ。

2017年に天皇退位の特例法を制定したとき、「安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について、特例法施行後に速やかに検討するように」という付帯決議に基づいて「有識者会議」が立ち上がることになった。

特例法が施行されて2年以上がたってようやく設置された有識者会議が、昨年の12月22日に報告書をあげ、岸田文雄首相が衆参両院の議長に提出したが、安定的な皇位継承を確保するには程遠い内容である。

「機が熟していない」と継承の議論を先送り

報告書では、悠仁さん以降の継承ルールを議論するには機が熟していないと、先送りしてしまっている。

一番重要な課題を切り離し、皇族数の確保こそが喫緊の課題だとして、「女性皇族が結婚後も身分を保持する」「今は認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する男系男子を皇族とする」という2案を示しているが、何のために有識者なる者を集め、議論したのか理解に苦しむ内容である。

「透けて見えるのは『皇位は男系男子が継がねばならない』という考えだ。継承ルールは議論しないといいながら、国民の間に一定の支持がある『女性・女系天皇』の芽を摘んでしまう仕掛けが講じられている」(朝日新聞1月13日付

朝日は一定の支持があると過少に書いているが、女性天皇待望の声はますます大きくなっているのだ。