日本ハム・斎藤佑樹の引退後の人生は前途洋々か
今シーズンで現役引退する日本ハムの斎藤佑樹投手(33)の引退セレモニーが2021年10月17日に行われたが、早くも斎藤争奪戦が繰り広げられている。
文春オンライン(同年10月17日)によれば、ユニフォームを脱いだ後は、本人は「何をすべきか、もう少し考えたい」と記者に話す一方、知人の話として「コロナ禍の前から秘密裡に芸能事務所やエージェントと接触し、そのうちの1社に所属することが内定している」とし、テレビ朝日系の「報道ステーション」がオファーしていると報じている。知名度が十分なだけにスポーツキャスター&タレントとして、選手時代以上に稼ぐ可能性がある。(※2021年12月「株式会社斎藤佑樹」を設立)
早稲田大学卒という学歴も持つ斎藤は当初球団に残るという報道もあった。仮にフロント(営業や広報など)に入り込むことができれば、長く職務を全うできるに違いない。
後輩などからの人望が厚く、コーチなど指導者としても有望視されているが、この場合、生活の基盤が不安定になるかもしれない。NPB(日本プロ野球機構)の場合、年俸の相場は監督5000万~2億円だが、コーチ1000万~1500万円が中心だ(ヘッドコーチや2軍監督はもう少し高い場合がある)。悪くない額だが、コーチは単年契約が多い。
また独立リーグの監督やコーチは、NPBよりもギャラの相場は下がってしまう。それにもかかわらず、指導者を目指す者は非常に多く、簡単になれるわけではない。
解説者兼ユーチューバーで生活の糧を得るというケースも
テレビなどでの解説者の道も甘くない。かつてはテレビ局やスポーツ紙の「専属解説者」は“高給取り”だった。しかし、近年は民放地上波の解説でも上限は1試合50万円で格付けによって額が異なる。BSやCSでは、地上波の半分程度まで下がるという。しかも、毎年、キャリアを残した選手が「引退」を迎えるわけで、現役時代よりも“レギュラー争い”は熾烈になるからだ。解説者兼ユーチューバーで生活の糧を得ているというケースも最近は少なくない。
いずれにしろ、スポーツマスコミを中心に斎藤の去就報道は今後も過熱するだろうが、斎藤のように現役引退後のセカンドキャリアにさほど苦労しそうもないケースは、球界全体からすれば、レアだ。多くの現役引退する選手、球団から来期は契約しないと通告された選手はこれから食っていく道を自ら開拓するため、苦労することになる。
それは今夏、東京五輪で活躍した選手も同じだ。