日本にいるときが一番支出が抑えられる

私はマーケターとしてこの20年近く、先進国も発展途上国も日本国内も含めた世界各国を頻繁に飛び回り、世界の若者調査を行ってきましたが、年々、日本にいる時が一番支出が抑えられるようになっていると実感しています。

今後、世界中の若者にとって東京が更に人気になるであろう理由は、このように生活コストが安いから、ということだけではありません。「流行の最先端をいく都市だから?」と思う方もいるかもしれませんが、東京の給料がそこそこで生活コストが安くて世界最先端の街だから……という短絡的な理由ではありません(もちろん、これもかなり大きな魅力ですが)。最先端という意味では、大変残念ながら、ニューヨークやロンドンやパリはもとより、今や上海やソウルの後塵を拝しつつあります。

スタバは東京よりも上海を重視するようになっている

例えば、2019年2月に東京・中目黒にできた大人気の焙煎工場も併せ持つSTARBUCKS RESERVE ROASTERY TOKYO。2014年にアメリカ・シアトルに一号店をオープンして以来、2017年の中国・上海、2018年9月のイタリア・ミラノ、12月のアメリカ・NYに続き、東京は世界で5番目の出店となりました。このことからも、スタバが東京よりも上海を重視しており、東京よりも上海の方がアメリカのトレンドが入ってくるのが早いエリアになっていることがわかります。

また、日本の若者、特に女子のファッションやコスメやスイーツ等のトレンドを見ても、ソウルや台北の方が東京よりも早い、あるいは、ソウルや台北のモノが日本で流行るケースが多くなっています。

このように、アジアが経済発展するにつれ、大変残念ながら、流行の最先端エリアはアジアの中では東京ではなくなりつつあるのです。

もはやアジアで最先端な場所でなくなりつつある東京は、今後、最先端だからという理由ではなく(アジアで先端的なエリアではあり続けると思いますが)、それとは違う理由で人気になっていく可能性があると私は見ています。

それは、東京が世界の先進国の大都市部で最も楽(ラク)に暮らせる街だからです。

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