宗教精神の観点からは中国と台湾の統一は極めて困難

主要先進国であるG7諸国について「信じている」の値を見てみると、高いほうから、米国(81.2%)、イタリア(76.2%)、ドイツ(57.2%)、フランス(50.3%)、英国(47.8%)、日本(39.2%)となっており、世界全体ほどではないが、やはりかなり幅が大きい(G7のうちカナダは調査対象外)。米国は主要先進国の中でもっとも信心深い国であり、カトリック国のイタリアがこれに次ぎ、他方、無宗教に最も近いのは日本である。

数字上、主要先進国は全体として「神の存在」をあまり信じなくなっていると言えよう。

さらに、「神の存在」を信じている人が最も少ない部類の国を確認すると、

① 中国、日本、韓国といった儒教や仏教の影響が大きかった東アジア諸国
② エストニア、チェコなど東欧の旧社会主義国
③ オランダ、スウェーデンなど脱宗教化が大きく進んだヨーロッパ諸国

の3種類に区分できそうである。

台湾は東アジア諸国であるのに「神の存在」を信じている国民(82%超)が多い点で目立っている。また、中国はデータ上、神から最も遠い国(「信じている」17%弱)となっているが、東アジア諸国であるとともに、依然として社会主義国でもあることがこの結果をもらしているのであろう。従って、宗教精神の観点からは中国と台湾の統一は極めて困難だといえる。

中国と台湾の関係のイラスト
写真=iStock.com/Rich Townsend
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