ユーロの混乱は、いよいよクリティカルな局面に突入してきた。ユーロ消滅間近かとさえ思える状況だ。ドイツ国債を含めユーロ圏総格下げの様相を呈していることは大いに注目すべきである。欧州経済の本丸はドイツ。ここに火がつき始めている。ユーロを支えに入ったところを信用不安のタネにされてしまうという、まさに「ミイラ取りがミイラ」になる状態をわれわれはリアルタイムに目撃しているのだ。
ユーロは立て直し可能なのか。12月8、9日に開催された欧州首脳会議では、財政赤字が3%を超えると自動で制裁を発動させるなどの財政規律強化を盛り込んだ財政協定で合意に達した。しかし欧州共同債は棚上げ、欧州金融安定基金(EFSF)の拡充も先送りされた。いずれも、もともとうまくいくはずのない構想だったが、棚上げは求心力低下の一段の表れだ。ドイツの七光りで、これからどこまで求心力を維持できるか。命運危ういユーロ圏だ。
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